限界を超えるのは、実は簡単

2024/11/15


4年間住んでいたマンションは、建て替え
のため、更新ができなかった。あれこれ
手立てを講じているうちに気が付いたこと
があった。サックスフルート以外の、生徒
さんが出現した。久しぶりに編曲と演奏の
レコーディングの依頼があったので本領を
発揮しなくては(笑)。

改めて自分の音楽家としての歩みを
振り返ると、とにかく優秀なジャズサックス
奏者を目指して、ドイツ人評論家ヨアヒム
ベーレントの本をヒントに、ソニーロリンズ、
ジョンコルトレーンという当時の2大サックス
奏者のアルバムをそれぞれ10枚づつ購入、
片っ端からレコードコピーと言ってソロを
譜面に書き取る作業、五線譜だけで数
センチの厚さになった。

ひたすらそれを練習し、暗記し、世界の一線
級のジャズサックス奏者を目指して修業した。

その後、松本英彦と三木敏悟という二人の
先生の教えを受ける。

松本英彦先生は大正15年生まれで父と同い
年。両親は尺八と三味線の師匠だったし、
お兄さんはプロのクラシックのフルート吹き
だったというから、生まれついての音楽環境
は素晴らしかったと想像される。

トランペットからサックスに持ち替えて1年で
スタープレーヤーになっていたという。
僕と同じレコードコピーの人で、当時発売され
ていたすべてのレコードを書き取ってまねて
勉強したという。

確かにシステム的なフレージングの作り方
を教えていただいた。レコードコピーを
ひたすら吹くだけだと、メロディの組み立て方
は感覚的なものになってしまう。


三木敏悟という人は、やはりサックス奏者
から始め、北欧を放浪したのち、バークリー
に入学、作曲のレッスンを受け、さらに
作曲家ジョージラッセルのレッスンを受けて
いる。

三木敏悟先生のレッスンを2年受けて、
音楽理論、アレンジの基礎的なものを学んだ
僕は、インプロビゼーションの組み立てを本に
して発表したら、当時はすごい反響だった。
初のジャズ教則「Play the sax」を今読み
返すと、コルトレーン+ロリンズ+パーカー
のフレージングの寄せ集めという感じで、
当時のジャズ学習者にはよい道しるべに
なったようだ。

あるサックス奏者の方があの本のソロを
丸暗記してバークリーの入試をパスしたと
いう話を聞いて、面白いやり方だなと(笑)。
韓国の音楽大学の入試に僕の教本のソロ
演じてパスしたとか。

30代のころはやっていたフュージョンまたは
クロスオーバーと呼ばれる音楽。僕もまねて
いろいろな曲を作り始めた。20代のジャズ
サックスのインプロを目指して、ロリンズや
コルトレーンになりきることばかり考えていた
自分が、作編曲の才能があると気が付いた
のは驚きだが、気が付くと音やコード、リズム
の組み合わせを考えるということでは実は
同じことなのに思い当たる。

教則にも入れた「Spring wind」は生徒にも
人気が高く、頭の中をずっとループしていた
人もいた。


自分でも、サックス演奏、フルート奏者
→インプロビゼーションの追求
→作曲、編曲
→プロデュースと、徐々に世界が広がって
いたのは驚く。またその間に学んだことを、
アマチュアやプロ志向の後進に伝えるという
ことで、著作、教材製作、教室経営、自身の
アルバム製作と、だんだん世界を広げて
いったわけだ。

いろいろな経験を積み、サックス、フルート
に限らない、すべての楽器、楽理一般、
また歌い手の指導などにも広げていきたいと
思っていた時に、歌い手の生徒さんが出現
してレッスン中
である。


以前にアルバム制作に、編曲と演奏で協力
した、大野方栄さんから、また新アルバムの
アレンジと演奏の依頼があったの素材をもと
にこれから構想を練るところである。