人は毎日、歩く。犬も猫も四つ足も、鳥も、
足がたくさんある虫もそうだ。人間以外の
生き物はプログラムされたとおりに歩いて
いるだけのようだけど、人間は踊ることも
できる。
歩き方も、北朝鮮の軍隊のように、シャキッ
シャキッという歩き方もあれば、マイケル
ジャクソンのようなタメの効いた歩き方
もある。皆特有のリズム感で歩いてる。
日本人の踊りは、盆踊りをはじめとして、
手踊りが多く、腰の動きが入っているのは、
ソーラン節や阿波踊りの男踊りなどに限ら
れる。
みな漁業関係なのを考えると、海の上で
は柔らかい波のリズムに同期しないと
立っていられないので、柔らかい腰の
動きが入ってきたのだろう。
縁があって韓国をたびたび訪問して
僕は、韓国にはまた違うリズム感が
あることが分かった。
日本人が、ジャズ、ロック、クラシック
音楽をそれなりに消化しようとしたら、
腰から下の動きをマスターする必要が
あるのではないか?
僕は素晴らしいご縁で、つのだひろ
さんや、村上秀一さんとの共演から腰
と下半身のバネでリズムをとったり、
微妙なタメの感覚を学んだ。
小学生レベルの算数しかできない人
は、中学生レベルの方程式、面積体積
のレベルも、高校大学のレベルも区別
がつかず、ただ難しいレベルにしか
映らないように、リズム感がまだ
発達していない人は、自分がどのレ
ベルなのかも認識できないだろう。
上からは、下はいくらでも、どのレベ
ルかははっきり認識できるのに比べて。
だから、小学生レベルの人には高学年
へ行けるような、中学生レベルには、
高校生レベルに行けるようなヒント
が必要になると思う。
拍子感のない人は、まず音楽には
定期的な拍子があってそれに乗っ
て音楽が進行していくということ
を知る必要がある。
音を伸ばしているところも立派な
音楽で伴奏の人がその空白を埋
めているので、無視して省略し
て、自分だけ先に行くのは論外
なのだけど、カラオケなどに行っ
ても意外とこういう人は多いの
ではないだろうか。
対処法は、基本的な指揮者の指揮棒
の振り方を学ばせ、棒を振りながら
歌わせるとよいだろう。
拍子に沿って演奏や歌っているとき
に、自分は伴奏(共演者)に比べて
早くなっているのか、遅くなってい
るのかを常にモニターして歌やや
演奏を続けるのは、アンサンブル
(合奏)の基本である。
これも経験がないと、自分のことで
精一杯で周りが聞けない人も多い。
ある時アマチュアのうまいジャズ
ピアニストを紹介され共演したこと
があるが、自分の演奏だけはかっこ
よくできるのだけど、共演者の音
を全く聞けない人だった。家で一人
で弾いていろといいたくなる(笑)。
初心者はどの楽器でも歌でも、練
習してマスターした特定のテンポしか
できないのが普通。少しづつもう少し
早くても遅くてもできるようにテンポ
のレパートリーを広げてゆくのが
良いだろう。
一応、音階、パターン、曲が一定の
テンポ、ほかある程度いろいろのテ
ンポでも演奏でき、伴奏(共演者)
を聴きながら、自分の演奏を微調整
してアンサンブルが形になってきた
ら、色気が出てきて、8ビート、
スイング、ラテンビートでも、深み
のある多少タメの効いたビート感を
出すにはということになってくる
だろう。生意気に(笑)。
先輩からこういう話を聞いた。
ファンクビートの2,4拍の時。
スイングだと、ドラムの左足の裏
打ちの時、腹筋に、「うっ」
と力を入れる。
これが習慣化すると、微妙に2,4の
アフタービートを重くすることが
できる。いい感じのファンクビー
トを演奏できる。昔思っていた、
黒人じゃなきゃファンクビートはでき
ないということは決してなく、黄色だ
ろうが、白人だろうが、レプティリ
アンだろうが、ドラコだろうが、適切
な体の動きをマスターすれば、君も
ファンクビートは演奏できる。
以前打ち込み(DTM)の専門家と伴奏
音源を制作していた時のこと、1拍は
たしか80-90分割できて、5/80くらい
タイミングを遅くすると誰でもわかる
くらいに重くなる。
素人は、リズム感がきめが荒い。
上級者は、正確なリズム感を鍛え
上げ、正確なタイミングからのずれを
認知する鋭敏な耳を発達させる。
僕が経験した、つのださんやポンタ
さんも感覚的に1/100拍単位で、微妙
なタメのタイミングをコントロール
して聴衆に快感とスリルをもたらす
タイミングを叩き分けていたものと
思われる。
まず皆さんには、達人の作り出す
リズムの素晴らしさを知ってもら
いたい。かっこいいリズムは、気持
ちいいんだよ、踊りだしたくなるん
だよ、頭ではなく体が反応して、
気が付いたら足がリズムを刻んだり、
踊りだしているものなのだ。
体験しなくてはわからないことは
世の中多いんだよ。