今回は、3人とも都合が付き、充実のレッスンと
なった。
演奏者よくある話は、例えば数年練習や
ライブ、発表会を続けて、ある日、自分の演奏の
録音を聴いて、その未熟さに落ち込む・・。
僕も、世に出ているグレートな演奏者も必ず通る
道である。
音楽、演奏これで終わり、完成と言う事は無いの
だけれど、ある程度、音もよく、リズムも自由に
動いてもちゃんとハマり、フレーズも隅々まで行き
届いていて、安心して聞いていられるレベルという
のは、実はプロレベルなのである。
ある生徒さんが言っていたが、一流の演奏は、
演奏を聴きながら、過去の思い出が蘇ったり、
いろいろな空想、想像の世界を遊べる。
だが、そのレベルに達していないアマチュアのレベル
だと、そこそこ聞けるのだけど、ああリズムが
(崩れた)、とかピッチが(いまいち)などが気になる、
フレーズが歌いきっていない、リズムが乗り切れてい
ない、総体的に何を言わんとしているのかの印象が
ぼやけてはっきりしないなどの症状の方が多い、
思い当たる人もいるかな?
Fさんの場合は、音もよい、リズムも悪くない、フレーズ
も良いのだけど、ポロリと出たひと言、下手すぎて吹
いていて途中で嫌になることが多い・・。
これは、自分の演奏レベルより、耳のレベルが高い
証拠。逆に自分の演奏がそこそこなのに満足で
きる人は、耳のレベルを上げることを考えよう。
いやいや、Fさんの演奏は、決して悪くないよ、
あとは自分のやっていることにもっと自信をもって
堂々と言い切るようにやればよいのだけど、
それは、レベルの高い共演者に、演奏で、
言葉で認めてもらう経験を、もっともっと積み
上げれば、自然と自信は確信に代わる。
そして、太陽が世界を照らすように、聞いている
人に滋養を与えるような音楽を提供できる人に
なるだろう。
まず現時点で、そこまで積み上げてきたまず自分
を好きになりましょう。自分を愛しましょう。自分を
ねぎらいましょう。そこまで来ただけでも大したもの
ですよ。素晴らしい音、音楽を皆さんに届けてくだ
さい。貴女ならきっとできる。
フルートのU君登場。彼はいろいろな曲をやるのが
好きだし、僕のオリジナル曲、Spring wind も好きだ
という。昔のあるサックス生徒が、この曲を外国の
スタンダード曲だと思い込んでいたっけ。光栄な
ことです(笑)。
僕の音楽塾では膨大なスタンダードに、オリジナル
曲に僕の創作したオリジナルのソロが付いている
ので、菊地式のソロの組み立てが学べるように
なっているのである。
生徒さんの技術の成熟を待っていると、中級、
上級の譜面がいつまでも渡せないのだけど、
長らく通ってくれる生徒さんに、最近難しい上級
の譜面を渡し始めた。
テーマ部分はなんとか行けるのだけど、ソロ部分
は、かなりな技術がないとこなせないレベル。
そうか、これらの易しい版を作って渡せばよいの
だと今更ながら気が付く。
なんだ、やることはまだまだ有ったのだ。
フルートの音の魅力は、ヴィブラートにあり、楽器
の価格とは関係ない。音の輝き、ひりつくような
官能的なヴィブラートは、日焼けした肌をピリピリ
と剥いていくような、苦痛と快感が混じったような
何とも言えない気持ちよさがある。
突き抜ける高音、中音、そして神秘的で深みの
ある低音の3つの音域の違いを利用して、3オクターブ
を自由に行き来出来たら、サックスに決して負けない
ばかりかそれを凌駕する自在性、自由を表現できる
楽器であると思う。
3人目は神戸の松尾さん、レッスン後に、今日やって
いるライブに来ませんかというので、帰りのバス時間も
計算して武庫之荘Mクワトロのライブ&セッションに
参加。
楽しい時間を過ごす。女流サックス奏者松尾さんも
メンバーも素晴らしい演奏でした。
初めてお会いした、栗田さんは、サックスのマウス
ピースを自作して演奏するという方。
僕もマウスピースのリフェイサーなので話すことは
山のようにあるのは予測されるが、またの機会に。