サックスの歴史と、サックス、フルートの音色の設定の仕方

2024/08/12

昨日は、午前中、F君テナーレッスン

(青葉台)、E君フルートレッスン

(五反田)

いろいろ気付きがあり、皆さんの参考に

なればとポイントを記します。

★サクソホンは、円錐管と言って、

メガホンみたいな入り口は狭く、

出口に向かって広くなる楽器。

音色をどう設定するかは、古今の

スタイリストが様々な音色を創造

してきた。

サクソホンの中でも、アルトとバリ

トンは、だれが吹いても、ほぼアルト

とバリトンの音がする。何を当たり

前なことを思うだろうが、言って

みれば個性が作りにくい。

テナーサクソホンは、例えれば、

バイオリンとチェロをつなぐビオラ

のような役割であり、いわば蝙蝠

(コウモリ)。鳥か哺乳類かよく

わからん奴。
最初のころはアンサンブル用の

楽器であり、さして注目されな

かった。

コールマンホーキンズという寒い

名前(冷凍男)のサブトーン奏法

が画期的で、一躍テナーは花形

ソロ楽器として使用されるように

なる。

 

コールマンホーキンズのあと

レスターヤングという天才が現れ

て、モダンジャズを創始したといえ

るだろう。パーカーはれレスターを

下敷きにBebopを発明してゆく。

ビーバップハイスクールはその

ずっと後。 

その後、まったく独自のスタイルを

創造した、テナー奏者としては、

★ソニーロリンズ、★ジョンコルト

レーン、天才作曲家★ウエイン

ショーターや、名手★ジョー

ヘンダーソン、レスターの流れを

くむ★スタン・ゲッツ、

ロックR&Bの影響を受けた、

★マイケルブレッカーなど。

スムースジャズの人気者

★グローバーワシントンJr,

★ケニーGなど。

これだけのいろいろな音が出せる

テナーサクソホンはやはり楽しい。

若い人にもぜひ挑戦してほしいの

だが、バイオリンとチェロをつなぐ

ビオラのような位置ということは、

バリトンよりの太い音や、アルト

よりの甲高い鋭い音も可能なのが

テナーであるし、男性の声域に

最も寄り添っているのがテナー

であるともいえる。

最近の研究で、フルート、バイ

オリン、ピアノなどの西洋楽器と

尺八、三味線、琴などの和楽器の

違いは何かというと、演奏する場所

にあった。

つまり宮殿やオペラハウスなどの残響

の豊かなところで演奏すると音が

映えるのが西洋楽器で、畳や障子、

木の家の中は響かない。そんな場所

でも響くように、和楽器は例えば

尺八のように、息の混じった音、

西洋音楽ではノイズとされる成分を

最初から音楽の素材として使ってい

たのだ。

ジャズサックスのサブトーンや

グロールトーンは、ギターの

ディストーションと同じようにノ

イズを音楽の素材として使うところ

が、和楽器の音つくりと共通点が

ある。

津軽三味線は、スペインのフラメン

コギターの影響で誕生した話や、

平家物語などで使用される琵琶と

ギターは実は先祖が同じだったなど

も驚きの情報。

どうも話がそれる(笑)。

さて音色の設定の話。円錐管の

サックスは、オクターブの変わり

目は管が曲がるところなので、

口の中の形を変える。高い音は細い

管を鳴らすので、口の中は、逆に広げ

てゆくと豊かな音になる。

こういう話はレッスン初歩から、

毎回やって見せて中級の生徒さんには

より詳しくこの音はこういう口中の

形でと伝えると何年かのうちに見違え

るように音は豊かになる。

僕は共感覚保持者なので豊かな色彩感

の音に育ってゆく。生徒さんの音が育

ってゆくのは一番の楽しみである。

生徒さんも僕もお互いに収穫を確認し、

互いの自己肯定感が上がる。

さて、五反田では本番を控えた、

E君が、久石譲の人生はメリーゴー

ラウンドに取り組んでいた。

 

僕はソシアルダンス経験者なので、

ワルツはダンス音楽であることを

伝え、ワルツの乗りを体を使って

説明する。

ノリとスピードは、素人とプロは、

草野球と米国大リーガーくらいの差

がある。ノリを理解するのに、オー

ケストラの弦楽器と管楽器の音の

立ち上がりの話をする。どうしても

金管は早く、弦楽器は遅いのである。

弦はギギギとこすれる音の後ズンと

いう響きがやってくる。

ワルツはやはり下半身の重心移動

なので、体全体の動きを優雅に

スピーディにできるかがカギになる。

今度はフルートの音色設定の話。

僕は30年ほど昔フルートの高い音が

上がりきらず悩んでいたことがある。

今ならわかることがたくさんある。
良い呼吸法、正しい姿勢も大事だが、

サックスでやった口の中の容積の

設定がカギになる。

サックスでは高い音を豊かにする

ために高い音ほど口中を広げると

よいのだが、フルートは実は逆で

あり、高い音ほど口中をコンパクト

に(狭く)設定すると、不思議

不思議、Sir James Galway のよう

な神秘的な華やかな音色を作ることが

できるのだ。

こんな有料級の情報をネットで

語ってよいのだろうか(笑)。

大丈夫、やはり音色はその人の

センスであり、練習努力の蓄積で

あるので、品の良い奥行きのある人生の

深みを感じさせる音を出すには、それ

なりの人生経験が必要になるからだ。

昨日はレッスンしていても上記のほか

様々な気づきがあったので共有した次第。

感想など書き込んでくれたらうれしい。