●音楽のどこを何を聞くのか??

2024/06/11


いつも市川や、銀座に多くの友達を
必ず連れて聞きに来てくれるYさんに、
KOSEの音楽のどこが気にいって居るの
かを聞いてみました。

本人の許可が有ったので以下に転載
してみました。

・・・・・お疲れ様です。
♪私は、音楽に全く疎いので、具体
的にどこがと聞かれると何て答えていいか
分かりませんが??

去年、初めて演奏を聴いたときに、
久しぶりに心ときめく体験をしました??

あの空間で、KOSEさんのサックスを聴か
せていただいて、最高に贅沢な時間の
使い方だな♪と感じました。

以来、あの店(h.s.trash)に通うように
なったので私の人生観を変える演奏だっ
たと思います??・・・・Yさんより。

・・・・・最高の感想を有りがとうご
ざいます。自分でも自覚していますが、
優れた音楽には、ストーリーの素晴らし
さがあります。

たいていの聴衆のみなさんは、無自覚
に何となく音楽を聞いているので
しょう。

演奏する方はテーマをフェイク
(崩して吹く)し、アドリブのフレーズ
を考えて演奏し、必ず一旦出したフレーズ
に応答するように、最上の次のフレーズは
何かと瞬時に考える、全体として眺めて
見たとき素晴らしいストーリーになるよう
に、辻褄が合うように組み立てて行くの
を常に心がけているのです。

あるフレーズを聞いて、音楽的な耳を
もっている人は、この先どうなるだろう?
とリアルタイムで自分なりの予測を立て
ます。

それが当たると、彼は、彼女は、とても
嬉しいのです。

そう来ると思っていたよ・・・と。

Yeeeeeeh!

だけどあまりにも予測通りだと、
今度は、飽きてしまう。

意外性やスリルも欲しい。予測もしな
かった展開も面白いし、びっくりも
したいのです。その辺のさじ加減が
見せ場です。

彼女は、知り合ったばかりの彼氏は、
どこへ連れて行ってくれるのか?
どんなジョークで笑わせてくれるのか
にワクワクなのです。

クラシックの世界でも、モーツァルト、
バッハ、ベートーヴェンをはじめ、
正統的なやり方は、主題と変奏で、
モチーフをどんどん展開して最後に
また主題を提示して終わるところは
似ています。

歌謡曲でもポップスでも構造は同じで、
あるモチーフを、どんどんずらした
り、少しづつ何かを変更していって
作ります。

譜面ソフトと言って、PCで写譜をする
ソフトを使うと解りますが、音楽は
ほとんどコピー&ペーストでできて
いるので、少し入力したデータを、
コピー&ペースト少しだけ変更して
ゆくとすぐに1曲が出来上がります。

作曲もアドリブも同じ。

以前にやはりWさんという熱心な僕の
ファンの方が居ました。彼女も僕の
音楽のストーリー性を高く買って
くれて居た方でした。

喉が渇いた人が水を飲む満足感に近い
ものが僕の音楽にあるという感想が
印象に残っています。

僕ら音楽家の仕事は、疲れた現代人、
常にストレスにさらされ続けている今
の日本人に心の満足感を与える大事な
仕事なのかもしれませんね?

藤井風の「やさしさ」という曲の
イントロのコード進行も素晴らしい
ストーリー性です。もちろん曲自体
のストーリーや歌詞の世界も独特で、
こういう青春小説のようなポップスを
作る人がいたでしょうか?

神曲です。大好きです。

ただそれだけ(モチーフ&ヴァリエー
ション)以外にも、そうじゃない、もっと
やり方がきっとあるだろうと色々な現代
音楽的手法も探られてきました。

セロニアスモンク、マイルスデイビス、
ロリンズ、コルトレーン、ビルエバンズ、
ペトルチアーニ、ジャレット、
スティービーワンダー、プリンス、
藤井風、etc。

超一流のジャズ屋、ソングライターの
ストーリーと意外性の作り方をいろいろ
比較して見てください。学びたくなる
ものがたくさん発見できるでしょう。

もちろんステージ上の演奏には、楽器の
音色。リズム感(グルーブ感、レイドバック)、
歌心、見た目の印象、色々な要素が有り
ますが、

その総合が起承転結、素晴らしいストー
リーになるようにこれからも演奏して
いきます。