●リズムセクションと、メロディ奏者のグルーブ、タイミングの確執

2024/06/05

これは、ジャズ、ロック、ポップス、
クラシックを演奏するもの、聞くも
のとって、とても面白いテーマ。
ここ数年参加している久野バンド
は、実業家にしてミュージシャンの
久野新一さんのもとに集まった、
仲間によるバンド。久野さんの
集客は最近とみに力を増して
6/1の蒲田オーパスにおける
ライブも大盛り上がり。

いつもこのバンドのライブに
参加する楽しさを味わっている。

オールディーズ、ディスコ、
歌謡曲、ほかの30曲を一気
に演奏するハードな内容なの
で、ベースや、ギター担当の
メンバーからは指や手が攣り
そうになったとの声や、

70代から歌を始めたという
久野さんの潤いのある豊かな
声や、月に20本以上のライブ
をこなす麻衣子さん、有ちゃん
の喉の強さも驚嘆に値する。

麻衣子さんのエンターテナーと
しての成長も素晴らしい。

打ち上げで、面白い話を聞いた。
ドラマーのポチが僕のサックス
のタイミングが遅く感じるよう
で、ソロはもちろん、セクション
プレイでリズムを刻むような
パターンを吹いているサックス
に後ろに引っ張られているよう
な気がいつもしていたが、
客席で録音した音源を聞いて、
客観的には、完璧なタイミング
で演奏しているのに、とても驚
いたとのこと。

KOSEさんは、長いキャリアから、
リズムセクションのどこに乗っ
たら良いのかを心得て演奏して
いるに違いない。

一緒に演奏しているとわざと遅
く吹いているようにしか聞こえ
ないのに、客席で聞くと完璧な
タイミングに聞こえるのは本当
に不思議。

この話題にはいろいろな伏線が
ある。

ビートとは雲のようなもので、
どのようなタイミングでも乗る
ことができる。

例えばモダンジャズの創始者と
呼ばれるレスターヤング(ts)
の演奏を聴くと、高速なアップ
テンポにもかかわらずゆったり
と聞こえる。

・・・・・これは、マイルスと
の共演で知られるデイブリーブ
マン(ts)の言葉で、公開セミナー
で直接学んだ。

僕の師匠松本英彦は、このレイド
バック(Layed back)が得意で、
師事している間に僕も体得して
しまったようだ。

味のある有名ジャズピアニストだ
った世良譲さんのグループで数
年間演奏したが、当時のドラマー
はジミー竹内さんで、この方は
大変素晴らしいドラミングで大変
勉強になった。

ジミーさんも世良さんも鬼籍に
入っているので、時効ということ
で書かせていただくが、世良さん
も自由なタイミング、要するに
リズムもメロディも歌うことで
自由なタイミングなのだが、
かっちりリズムを刻みたいジミー
さんは、雇い主である世良さんには
そのレイドバックのタイミング
は止めろ!とは言えないので、
若造である僕に意見をぶつけて
くる。

あのね?菊地君、あのレイド
バックしたリズムで吹かれると
ドラムが叩けないんだよね?
明日からレイドバック止めてくれ
ないか?

はい了解です。明日からレイド
バック止めます。と口約束とは
裏腹に、さらにレイドバック
した自由なタイミングでの演奏
を続けるのであった。

20年前のサックスマシーンズ
は、僕が、サックスでソロも、
アンサンブルもできる人材を集
めたスーパーグループだった。

でも僕以外レイドバックしたタイ
ミングを吹ける奏者はいなかっ
たので、よく僕以外の3人が徒党
を組み、菊地さんだけタイミング
遅いですよ!我々に合わせて
ください!!

ちょっと待ってくれ。これは俺
のバンド、アレンジもプロデュース
もおれがやっているんだよ、少し
おれのタイミングに歩み寄って
くれてもいいんじゃないか?

懐かしい確執だ。
15年以上付き合ってくれたベース
のSも、KOSEさんとやるときは、
引っ張られないように必死で先
を弾くように頑張っています。

とのことだった。

俺はそんなに遅いのか?そうで
はなく、リズムセクションがスピ
ード感をもってバンドを引っ張って
いるんだよというタイミングを
際立たせるタイミングで吹いて
いるんだよ。

本当にグルーブ、リズムは奥が
深い。僕は歴史に名を残す、
グルーブの魔術師、天才ドラマー
村上秀一さんと演奏する幸運に
恵まれた。

師匠松本英彦は僕が、ポンタさん
と知り合った後に共演を果たして、
ポンタはすばらしい、すごく勉強
になった・・・とのこと。

松本英彦との共演を果たしたポンタ
さんの感想が面白かった。

ポンタさん、どうでしたか?松本
英彦は?

うんKOSEは上手いな。(当時僕は
松本英彦そっくりの演奏だった、
松本英彦がKOSEみたいに吹いて
いるのではなく、KOSEが松本英彦
の影響下にあったっつうの)