菊地康正(ts.fl)、都丸翔(gt)、植垣麻衣子(vo)。
地元蒲田で、本格的なジャズが聞けるというので、40年地元で愛されるコーヒー専門店テラスドルチェでは、今回も満席のお客様。
もちろん僕も本当は、ベース、ドラムとちゃんとした編成のコンボでやりたいが、コロナ後のこの時期僕もほぼライブを休止していたのち、ギターの都丸と、とりあえず二人で始めることにした。
今年の1月に瀬戸さんのご縁で知り合った、素晴らしい素質の植垣麻衣子さんも合流して、まるで親子バンドのようなこのグループ、実はこの3人でライブをするのは初めて。
しかし、4月の赤坂、そして6月のサックスマシーンズで、気心も知れて、長年一緒にやっているような和気あいあいの楽しいライブになった。
ギターの都丸は、宮之上セッションで知り合ったが、ジャズ、ロック、歌伴と幅広い音楽性で、こんな風に弾いてくれとリクエストを出すと即座に理解してやってくれる柔軟さが素晴らしい。ベンソンみたいに、ジョーパスのように、クラプトンのように、デイビッドTのようになど、すぐにそれらしく弾ける人はそうはいないだろう。
僕は、ジャズ歌手、そのほかいろいろなジャンルの歌い手さんとご縁が深く、常に歌い手さんからいろいろなものを学んできたが、植垣麻衣子さんの歌唱力と音楽性も素晴らしい。
特に先日のサックスマシーンズでは、僕の作編曲作品を、たくさん歌ってくれて、本人は違う音楽文化の体験、良い音楽経験になったようだが、僕の方も自分のインスト作品に声が加わることで音の世界が広がり、別の意味の感動を味わっていたのだ。
僕のサックス、フルートは、実は音の説得力やボリュームが思ったより強いので、いつも歌い手さんを食ってしまわないように、殺さないように、気を付けているのだが、後で録画を見て、もう少し控えめにやるべきだと反省。
歌い手さんの後ろ1.2歩ではなく、5歩下がって演奏するのだという、故村上ポンタ秀一さんの言葉を思い出す。
この才能溢れる二人の若い奏者、歌手と音でやり取りをする。そのステージにおける相互作用は、お互いの人生を音で語り合うようで、比較するものがないくらい楽しい事だ。
年齢差は30年以上あっても、自分が見つけた才能と共演する楽しさは、ジャズ音楽家ならでは。
そして自分が、一緒にやろうよと、オファーしなかったらこの二人とも今日会っていないと思うと人生はとても不思議。
若い二人の溢れる才能を、シャワーのように浴びてますます進化していくしかない KOSE なのだった。
写真、および編集はヨシローさん。