ジャズ、そして音楽の真髄とは?

2021/05/31

今朝は風が強い。台風の様な風がすべてを洗い流してくれる様だが、外でフルートの稽古をするフルート吹きとしては、収まってくれたらと思う。

さて、全ての楽器やボーカルで、カッコいいアドリブをするにはと皆んな考えていると思う。

すぐ効くコツが有るので紹介しよう。

その前に、音楽を聞いて、聞き手の頭の中で何が起こっているのかを考えて見よう。

よく言われる音楽の3要素はもちろん、酒、女、ドラッグまたはギャンブル??

おっと間違えた、リズム、メロディ、ハーモニーだね?危ない危ない!

ロックンロール、スィング、フラメンコ、ルンバ、サルサ、ウィンナ・ワルツ、ファンク、音頭、(笑)。

色々なリズムがあり、好き好きは人により、民族に依るだろう。

自分にピッタリくる、カッコいいと思うリズムの音楽を聴けば良い。

音楽は、心の栄養、食事なので、栄養価の高い音楽をいつも摂取すると、心が健康になり、生きていく意欲が湧く。

若くて健康で美しい女性を見ると、彼女を喜ばせたいと思うのは全ての男の本能なのと同じだ。

ハーモニーには、重力があって、コード進行が、いつも起承転結のストーリーを描いているので、素人は無意識に感じ、音楽家なら意識的にそれを組み立てる。

ジャズ屋なら、普通のコード進行を、マスターしたら、よりカッコイイ音遣い、不協和音、テンションノートや新しい音階を調べたり練習するだろう。

実際のジャズ演奏を聞いて、人間なら、聞き手の頭の中では、1つのフレーズを聞いたら、それを認識して、味わい、それは次にどうなるのかを予測を立てる。

熟練した聞き手なら、3,4通りの予測を立てて、そのどれかかな?と待っている訳だ。

クラシックの作曲法でも、主題と変奏というやり方は、5度進行とともに石のように、伝統的なものだ。

モチーフを、リズムを変え、転回形を差し替え、コード進行を変えて、似ているけど、少しばかり変更したものをどんどん並べて、聞き手の期待に答え、ある程度満足と意外性をバランス良く折り込み、興味を持続させていくのだ。作曲家の腕の見せ所。

優れたジャズ奏者は、それを即興的に行う訳だ。

何をしているかと言うと、あるフレーズを思いついて演奏、それを次のコード進行上に当て嵌めて、似たようなフレーズを思い出して吹く、数回繰り返したら、別のフレーズを出して、また、数回繰り返す。

これを即興的編曲能力と呼ぼう。

聞き手の耳と、興味を十分惹きつけたら、仕込んだお得意の決めフレーズを繰り出す。

事前の根回し、または、前戯(笑)が十分だと、どんな意外な展開も、聞き手は喜んで受け入れる。ヤッター?!クライマックスは、すぐそこにある。

つまり、聞き手は、予測が当たることが、嬉しいし、さらにスリルがあって、カッコよく予測を裏切って欲しいという、二律背反の欲望を持っている。

ジャズの世界で、予測とスリルの興奮、ワクワクを生み出す才能の最高峰は、(私見としては)マイルス・デイヴィス、セロニアス・モンク、ビル・エヴァンス、チャーリーパーカー、ソニー・ロリンズなどであろう。(あくまで個人的意見)

以前にも書いたことがあるが、マイルス・デイヴィスが亡くなる3ヶ月前にオランダのハーグNorth sea jazz fesにて、聞く機会があった。

もちろん、僕も三木Bingoと、Inner garaxy orch (別名みんなギャラ無しオーケストラ)のスターソロイストとして参加していたのだが。この時もやはりギャラは無かった(笑)。

その時のMilesバンドの演奏を記憶で再現してみよう。

バンドは、ファンクのリズムか、ご機嫌、カッコイイーーッ!そこに御大登場。

真っ黒で光り物の衣装に、黒いトランペット、もちろん本人も真っ黒で、存在自体が痺れるくらいカッコいい。

1音目炸裂!パァ~~!!

あの神秘的な音色、下がり目なピッチ感といい、ブルースのかたまり。

1音で、既にノックアウト。ひぇ~~、参りました!

ええい、頭が高い、この方を誰と心得る、ははー、思わず土下座しそうに(笑)。

続いて、フレーズを聴音して、予測を立てながら聞いていく。

ブレスして、次はここで来るだろうというタイミングは、必ず外し、焦らせてから、次のフレーズを吹き始めて居るのが解った。

く~~~~っ!何て、カッコ良いんだ!マイルス。

心を鷲掴みされる感覚だ!

また、予測したフレーズは、すべて外れて行くので、スリル100%で、手に汗握るワクワクは止まらず、聞き手を手玉に取るマイルスマジックを体感したのだった。生マイルスを聞くのは3回目だった。

すべてのジャズ屋に告げたい。

1.まず、予測通りのモチーフ& バリエーションを学んで、聞き手を満足させる方法をマスターせよ。

2.しかして、予測を裏切る方法を学んで、スリルを作りだせ!!

アドリブする人は、ブレスして、次のフレーズを繰り出すときに、空白を配置し、さっき自分の出したフレーズを味わう時間を与えてあげよう。

そして、聞き手を焦らして予測より、2-4拍遅れて出てみよう。

そして何よりも、自分のフレーズを愛そう。何万回繰り返しても飽きない自分だけのフレーズをストックすること。

音楽と、過去にいばらの道を乗り越えて、それを作り上げた偉大な先達と聴衆に無限の愛と感謝をささげよう。

皆さんの参考になれば幸いです。