ある日のフルートレッスン

2021/03/26

Hさんは、菊地道場フルート科の生徒さん、10年選手。入門時は60代中盤だったのですでに70代中盤である。お元気である。

昔の常識で言うと60代は老人だが、日本の平均寿命は世界一らしい。

自分もすでに60代後半だが、特に目立って衰えたという気持ちは無い。Hさんは、科学者にして、元大学教授、現在は現役の医師である。

カナダ在住の頃高名な先生に付くがほぼ上達せず(ご自身談)菊地道場に入門して、音感トレーニングを強要され、最初はとても辛かったが(笑)1年ほどで、移動読みをマスター、ダニーボーイの C 譜面を見ながら E♭に移調して吹けるまでになった。

驚いたのは本人自身で、まさかこんな事が出来るようになるとは夢にも思わなかったそうで、今でもご自身の移調能力に驚かれている。我々ジャズ屋にとっては、空気のように当たり前のことなのだが・・。

問題のリズム感の育成も、長い年月をかけて少しづつ前進、普通の曲なら、落っこちないで完奏出来るレベルに!!

これは、教える立場としては、とても嬉しいこと。お互いに忍耐力が試される日々であったが、見事に成果を出された今となっては・・。

奥様は、音楽の素養の有る方なので、仲の良いご夫婦でも音楽面では、原始人扱いを長らくされて来たというので、本人の嬉しさも格別かと想像される。

Hさんが最近凝っているのは、ソロ創作の課題。毎回、頭をひねってスタンダード曲のソロを創作して持参してくるのだが、これがめきめき上達。徐々に音楽的な創作となってきているのに驚かされる。

インプロビゼーションとソロ創作の違いは、リアルタイムで演奏しながら創作していくのがインプロビゼーションで、じっくり考えながら紙の上で行うのがソロ創作で、同じ作曲の行程であることに変わりはない。

余りにも素晴らしいので、「Hさん、バッハ、モーツァルトと同じ仕事をされています。それも上達してきている!」と伝えたら、あまりにも嬉しかったのか、

「先生は、生徒を乗せるのが上手いです。」と言うので、

「いやいや、本当にそうですよ。

なぜなら、僕も長年かけて書いてきたジャズソロは7冊の本になり、通信講座、DVD,教材となり、全国の(主にジャズ)音楽学習者を引き寄せている。

本棚には、自分のバンドサックス・マシーンズのために書いた譜面が、スコア、パートをを入れると厚さ40センチに達している。

(精神的には)ジャズミュージシャンは、偉大なバッハの子供たちであり、(大いなる誇りを込めて)、僕は、バッハ家の末弟なのですから。」

それを聞いた Hさんも妙に納得していたのだった。

人間の肉体の親子もあれば、音楽遺伝子は、例えば師弟間で、まるで血の繋がりのように遺伝(?)するものだし、

クラシックの偉大な作曲家の他、ガーシュインやコールポーター、ジョンレノンやスティーヴィー、プリンスや多くのシンガーソングライターは、精神的には音楽の一族、ファミリーであり、

楽器でインプロビゼーションを繰り広げるジャズミュージシャンもその仲間だと思うのである。

菊地康正のフルートレッスン詳しくはこちら。http://kose-sax-flute.jp/Fluteroom.htm

サックスレッスンはこちら http://kose-sax-flute.jp/saxroom.htm