チック・コリアが鬼籍に入った。
考えてみたら、僕は会ったこともコンサートを聞いたことも無かったけど、唯一無二な貴方の音楽からいろいろ学びました。心よりご冥福をお祈り致します。
30年前に渡米していた時、知り合ったアルト奏者ピーターイェリンが言っていた。若くて無名なチックを発見したのは僕なんだよと。
ピーターはロシア系アメリカ人で、ボブミンツァービックバンドのリードアルト、とても世話になった。
さて、僕が高校生のとき、買ったのが、チックの、ソロピアノ集で、2枚あり、とても美しい。思い出すとその時代が蘇る。
後に楽譜を購入して、Noon song をピアノで練習した。そこらのピアニストよりチックぽく弾けるんだ。
Children's song,Cristal silence も、今でも弾ける。チックの4度積みハーモニーは、斬新だった。
作曲も独特でバルトークなと現代の作曲家も消化しているのが素晴らしい。
Return to forever の世界的ヒットも、素晴らしい。当時目新しかったフェンダーローズの、エリクトリックサウンドと透明感のあるフローラプリムの声と、軽快なジョーファレルのサックスとフルート、それに、アイアートの、パーカッションのサウンドは、新鮮だった。
菊地雅章が、あいつは寄せ集めの才人と、ケチョンケチョンに酷評していたのと、ギルエバンスが、チックは、全て2拍子なので、ジャズに聞こえないという批評をしていたのも思い出す。
スペインは、プエルトリコ系の自分の出自から来ている思うが、ロドリーゴの、アランフェス協奏曲の紹介や、今や世界的スタンダードになっている。
最近気がついたのは、ソロパートの、コード進行、最初の4小節でスペイン的モードを表現したあと、Em7,A7,DM7,GM7,C#-7♭5,C7,Bmって、枯れ葉と同じ。
久保田早紀の異邦人や、エリントンのキャラバンも、同じで、最初だけご当地音階で、異国情緒を醸し出すというお決まりの手法なのだが、
みな騙されて、何という、独特な音楽なのだと感動するというカラクリ。
個人的に好きなアルバムはたくさんあるが、やはり、Now he sings now he sobs,ミロスラフビトウスのベースと、ロイヘインズのドラムがご機嫌。この時代はチックもマッコイみたいに弾いていた。
ヘインズは、パーカーとも、コルトレーンともやっている。
チックとやったときも80代だったと思う。
ニューヨークで握手した時は嬉しかったな?
Friendsは、ブレッカーと、スティーブガッド。
ガッドは、どうしてもジャズに聞こえない。それが個性。
Light as a featherのラテンテイストも大好きだ。
Mad hatter の中のHanpty dumptyは、コード進行が、短3度進行が多く、挑戦したが記憶が難しい。
ジョーヘンダーソンは、うまいこと吹いていたな?そのうち挑戦しようと気がついたら今になった。
もちろんエレクトリックバンドほか素晴らしい活躍だけど、上原ひろみとのデュオも、忘れられない。
天才同士の、対話の世界だな。
もちろん、マイルスバンドで、キースとともに、In a silent way の幽玄な世界や、スタンゲッツとの、Captain Marvell,Sweet rain も忘れられない。
チックのお陰で世界は間違いなく豊かになった。ありがとうチック。
気がつくのは、マイルスとゲッツは、いつも未知数の偉大な若い才能の発掘名人だと言うこと。
僕も及ばずながら真似して、いつも若い才能を発掘している。
山添ユカや、愛川聡、外山安樹子は、駆け出しから一緒にやっているがみなひとかどの音楽家になったな?みな、俺より有名じゃないか?(笑)
素晴らしい!!
ギターの都丸翔は、これから!!僕とやっている新人はみな大物になるよ。