川崎のフッション米山ファッションビジネス学院の学院長米山さんは、書道の先生でもある。
いつも頂く隷書の書の色紙は素晴らしい。
見ていると清々しい気持ちに。
さて、専門分野サックスメンテナンスの話題。
昨日は、懸案だった、自分の愛機、韓国製テナー、キムズの、調整と清掃。
世界にいろいろなサックスが存在するが、面白いのが、これが最終型と言うものが出ていない。模索中と言える。
30年前に渡米して驚いたのは、ジャズ系の奏者は、セルマーマーク6の音を好み、7以降のセルマーは、全く無視している事。ジャズの音はしないと言うこと。
また、ブッシャー、キングなどの古い楽器を大事に使っている。
ヤナギサワや、ヤマハの方が評価が高かったりして、かなりなカルチャーショックだった。
特にテナーと言う楽器は、ネックが、逆方向に2回曲がっているので、音響学的な特性は複雑なのでは無いだろうか?
経験上から、言えるのは、音程のバランスを取りたい場合、ある部分のピッチを低くするのは可能だが、高くは出来ないと言うこと。
低くするには、穴を加工して、コルクかゴムを詰めて結果的に管長を長くすれば良い。
穴の位置を上に移動させるのは不可能。
ヤ✕ハなどの技術者と話したことがあるが、音色は、管の形状のみによって決まるとか、ピッチは、機械的設計で正確に作ることが出来ると信じる原理主義者(アルカイーダ??)が存在することが解った。
奏者側から見れば、形状以外に、金属の素材の響きの違いや、吹奏感なども微妙に違うものだ。
チューナーで合っていても、音程は、耳とアンブシュアで作るものなので、シンセサイザーの鍵盤を押すのと対極にあるものなのだ。
チューナーは、確認に使うべきものであって、音楽家は、まず耳を鍛えて、いいビッチを生み出す良い耳を育てるべきである。
セルマー系の設計は、高音がわざとピッチが上がり目に設計されているので、僕の奏法だと極端に上ずる。
それを防ぐために、ハイDより上は、穴にコルクを貼り付けて、ピッチを下げる加工をしているのだが、長く使っていると、外れてしまうときもある。
また、一般的に言って、ほぼ全てのサックスのG#は、ビッチが上ずりやすいので、穴にコルクを貼り付けて上がらないように加工(写真)。
機械設計の立場と奏者の立場の違いだろう。
後で実際に吹いて試したが、A♭のスケールや、Eの3度のピッチがとても取りやすくなった。
この書き込みで、ピンときた方は、こちらも覗いて見てください。