昨日は、思い立って、渋谷のウインドブロスで、僕の楽器の主治医である、佐野さんに相談して、テナーの右手親指のフックの修理を頼んだ。
ちゃんと買うと2万はする、ウインドブロスオリジナルの黒檀製の高級フックを、中古だから差し上げますよと、取り付けて貰う。有り難い。やったね?
黒檀は、100年かかって成長する木で、クラリネットの素材としても使われる素材で、小さなパーツだが、サックスの音もぐっと木管の緻密さと艶が加えられるのは嬉しい。
もうパッドが限界と言われていた、僕のメインのフルート、ミヤザワレガシィを、オーバーホールに出すことにした。
1ヶ月はかかるので、ピンチヒッターのフルートを購入しに、御茶ノ水下倉楽器へ。
下倉では、僕の生徒さんに50人以上はサックスを斡旋して買わせている。
予算のある人は、高級機種を、コスパ重視の人には、台湾製、下倉オリジナルブランド、マルカートのサックスを勧めて来た。10万前後で、YAMAHA、学生モデルには負けない楽器だと思う。
さて自分用フルートは、10万前後のマルカート(台湾製)を狙っていたのだが、現在は3万円台の中国製に入れ替わっているという。
中国製新品、YAMAHAとミヤザワの、10万以下の中古フルートを数本試奏。
やはり、長年ミヤザワを吹いているので、その響きがやはり自分にはしっくり来る。
楽器の好みは、やはり理屈ではなく、音、見た目、手にしっくり来るか?など、自分の好みに合うか、総合判断になる。
パールのフルートも、音は好きだが、手に持った感じは、少し合わなかった。
アメリカのメーカーは、音も、作りも大雑把な印象がある。やはりアメリカ人が作った感じ。もちろんヘインズ、ムラマツなどは素晴らしい楽器だ。
1980年代に作られたミヤザワの頭部銀、本体は洋銀製のモデルに決定。
あと、最近、ソプラノの、マウスピースのリフェイスも依頼されるようになってきているので、ついでに、ソプラノサックス本体も、購入した。
やはり、下倉オリジナルブランド、マルカートのソプラノサックスだ。
価格からは信じられないレベルのクオリティなのだ。
仲間の山口マリさんは、セルマーのマーク6のソプラノサックス中古を、7桁の値段で購入したそうだが、この楽器だと15本は買えそうだ。
昔は、マルチ木管奏者と言えば、コンサート、スタジオでは重宝されるので、楽器数を増やす方向に行ったものだが、だんだんと教室と自分のライブがメインになり、便利屋で終わりたくないと思いから、練習しないので上手くならないクラリネットは売り払い、ソプラノは弟子へプレゼントした。
テナー(アルト)とフルートだけに集中してきたと言う訳。
昔はよく仕事でも使っていたソプラノサックスを手にするのは10年以上ぶり。
テナー、アルト、ソプラノと、実は使う筋肉が違う。
アルトとソプラノは、腹筋の別のパートに負担が来る。
特にソプラノの高音は、ロングトーンを少しでもサボると、コントロール不能に。口の筋肉はすぐ衰える。
ピッチも非常に難しいので、ソブラノから始めたいという生徒さんはお断りしているくらいだ。
昔、ソプラノの初心者を殴りつけそうになったのを辛うじて自制したものだ。(ソプラノ初心者の音=拷問)我ながら、殴らなかったのは偉いと今でも思う。
テナーや、アルトは、まだ許せるが、中には何年経っても音がひどい人もいるものだ。まあ、それを、良い音に導くのが仕事な訳だが。
早く非常事態を解除して、スタジオや、カラオケでそしてライブで存分に音を出したいものだ。もう少しの辛抱であることを願う。