昨日のライブは、生徒でもある武蔵小山の建築会社社長の鷹野さんの会社主催のイベントで、お店のショールームに集まった20名ほどのお客様に、ジャズカラオケを使った単独ライブ。
このような機会を企画してくれた鷹野さん、会社のスタッフ、そして熱心に聞いてくれたお客様に感謝申し上げます。
誰でも知っているスタンダードばかりを、サックス、フルートで、熱演した。
Fly me to the moon,The girl from Ipanema,シェルブールの雨傘、Waltz for Debby,Star dust,etc.
伴奏音源を使ってほぼ生音で演奏したのだが、サックス奏者にとってライブが成功するかどうかは、実はリード(マウスピースに装着する竹べら、正確にはフランス産の葦を加工したもの)の選択に掛かっている。
この植物由来の製品と40年以上付き合っているが、生き物なので、天候、湿度に敏感なことは、この上なく、その扱いには非常に苦労した。
買ってきたままで使い捨てるように毎日取り替えて使う人も多いが、まさに自分もそうだったのだが、最終的には、少しづつ削り、少しずつ慣らし吹きをして、育てて使うようになった。
技術と実力が有っても、その日の天候湿度に合った良いリードを使わないと、本当に魅力的な音は出ないので、前日までの仕込みが全てである。料理人と同じかもしれない。
また、ライブは、あ客様を前にして、良いところを見せよう、満足感を与えようと、良い意味で興奮、気張るものなので、かなり抵抗の強い厚めのリードにしておくのがコツなのだ。
また、リードが濡れてくると好みの乾いたサウンドが出ないので、ステージ中でも、リードはどんどん取り替えて行く。
さて、お客様からのリクエストコーナーで、Danny boy,On green dolphyn street,My favorite things などをアカペラで演奏するコーナーは実に楽しい。
全く一人というのは、スイングしても吹けるし、止まってカデンツァにしても良いし自由がある。
カラオケでエリントンのA 列車を演奏しながら挨拶して終了。
皆様から、大変良いものを聞かせて頂きとの感想と、CD の売上から、悪くはないライブだったようだ。
帰宅するとたまたま、アイドルグループの嵐と矢沢永吉の対談番組を見た。
30代の頃矢沢さんのツアーに参加して大変お世話になり、勉強になったので、懐かしく見ていた。
昨日の、あるギタリストのキンドル本、(ジャズに人が集まらない理由)という本にある、ジャズ演奏家には世界観が欠如した人が多い、について考えさせられた。
確かに矢沢さんは、確固たる世界観があり、初期の頃は、お客が、暴走族、警察官、自衛隊、女性は、ホステス、風俗嬢などが多かったという。
その後、血の気の多い男ばかりのファンが武道館で乱闘を起こしたのをなだめるなどと言うこともあったが、徐々に全世代に受け入れられる偉大なアーティストになった人だ。
その才能の中核は実は作曲能力に有ると思う。作詞は、外注だ。
今更、ジャズを辞めてロックに転向する気もないのだが、確固たる世界観を持ってやっているところは見習おう。
と言うより、溢れ出るもの、どうしてもやりたいものをやったら、それがロックになろうがジャズになろうが、後付で名前を付けただけで、やりたいことを表現しただけのことなのだと思う。
9/3は、赤坂トナリテ、皆様とお会いできるのを楽しみにしております。詳しくは、こちらです。