音楽と脳

2019/04/05

韓国は、空前のサックスブームだそうである。このところ毎年韓国を訪れる機会があり、現在の日韓の険悪な政治的な状況とは違い、実際僕のお会いする韓国人は皆紳士で素敵な人ばかりだ。
特に年配者は、十分な年金もあり、サックスを楽しむ方が多い。

さらに、各都市には、日本のカラオケに当たる、サックス練習室が10カ所以上存在し、会費を払うと、楽器を預けておく、好きなときに行って、サックスの練習が出来る、2万曲入りの楽器用カラオケである伴奏機も発達している。

これは,楽器の演奏に特化したコンピューターで、画面には楽譜が表示され、豪華な伴奏とともにサックス演奏を楽しむことが出来るようになっている。

人口4,500万人の国で、噂では100万人がサックスを楽しんでいるという。また韓国には仲間で飲んで騒いで楽しむというパーティ文化がある。

ただ日本と違うのは、演歌体質というか、哀愁のあるメロディが大好きな国民性なのである。サックスで吹いて楽しむのはそう言う音楽である。

さて日本では、プロのライブは、ますます集客が難しくなる反面、アマチュァのセッション熱が上昇中らしい。

先月の大阪★ターン、先週も、白楽★ブルースエット、岩本町★リディアン、赤坂★ドットアンドブルーと出演、顔出しすると、多くの人が、ジャズのセッションに楽器持参で参加している。ただ聞くより、実際に演奏した方が何倍も楽しい、何倍も大変だが、それに気がついた人が多いのだろう。

活動が多く、プロかと思われる人もいるが、昼間はしっかり正業で働き、夜はアマチュァとして音楽を楽しむというスタンスの方が多い。

僕も25年以上ほぼアマチュァのかたを相手に、教えてきて、感じていることは多くあり、一言では言えないが、今日は、すこし皆さんの役に立つお話を書いてみよう。

★ピアニストの脳を科学する、古屋晋一、超絶技巧のメカニズム、春秋社・・には、面白い情報知識がつまっている。

ピアニストは、幼いときからの練習で、ピアノを弾く脳、実際は小脳(運動を担当する)・・が普通の人より大きく発達している。

音を聞くときに、聴覚に関する部分以外に、指を動かす部分が活動することも解っている。

音のでない鍵盤でピアノを練習したとき、脳の聴覚に関する部位が活動することが解っている。つまり聞こえなくても鍵盤を押さえるだけで、実際の音を記憶で聞いているわけだ。

●音楽を鑑賞するときの脳のしくみ

脳画像診断装置を使って、音楽を鑑賞するときの脳のしくみはどうなっているのかを詳しく調べてきたが、音楽鑑賞のための部分があるのではなく、脳の全体を使って行われていることが解ってきた。あたかもオーケストラのように。

●例えば、ハーモニーに関しては、言語の文法を理解する部分として知られているブローカ野が使われている、

●リズムの処理には聴覚野に加えて、身体の動きを司る脳部位、運動前野、大脳基底核、小脳が関与、

右脳が拍子を、左脳が、リズムの中にある規則性(グルーブ)を処理している。

●ピッチ・・一時視覚野・・聴覚ではなく視覚の部分が使われるのに注意。

●メロディ・・二次聴覚野

音楽鑑賞や、楽器を練習することで、音に対する感覚が高まる。人間の会話もある意味、リズムとピッチの乗降を伴うので、会話の中から相手の感情を読み取る能力や、外国語を習得する場合に、その言語の音高やリズムをとらえる能力が高いので習得が早いなどの特徴がある。学校の授業から音楽を削減するのは、子どもたちのコミュニケーション能力の低下を招く。

さて、ジャズをやりたいという方に、まず音楽の基礎を学ぶには、1.歌うこと(ピッチの感覚)、2.足を踏んで拍子を取ることを練習することが特に大事なので強くオススメする。

小中学で、鼓笛隊、合唱部、吹奏楽やオーケストラ、ピアノやギターのレッスン、ロックバンドなどを経験していると、ある程度それらに慣れ親しんである程度の素養が出来ていることも考えられる。

吹奏楽出身の皆さんには、ジャズはやりたいのだけれど、譜面通りにして出来ませんというタイプが多い。

これは音大出身者でもほぼ同じで、今までの日本の音楽教育が、目と指が直結していて、音感を育成することを忘れてきたからだろう。

そのために一石を投じる目的で作ったのが、拙音楽教材、音感トレーニングメソッドなのである。お陰様で400名弱の皆様が勉強中なのである。

http://kose-sax-flute.jp/Onkan/onkan.htm

これに

★「リズム感トレーニングメソッド」及び、

★「コード感育成メソッド」

が加わったら、リズム感、拍子感、コード感で苦労している方は多いと思われるので、皆さん喜ぶに違いない。

人生の残りの時間は、演奏活動及び、以上のノウハウを初心者にも解りやすく作っていくことを目標にしたいと考えている。