師匠松本英彦の言葉がじわじわ効いてきた

2019/03/20

僕の師匠の、松本英彦 (ts、fl) は大正15年生まれで、父と同い年。師匠から学んだことは多いが、漢方薬のように、長い時間が経ってからじわじわ効いてくることも多い。

師の言葉で印象に残るものは多いが、「俺は、眠っていてもアドリブだけは出来る」、「俺は、フレーズが出てこなくて困ったことはない、泉のごとくに、いくらでも湧いてくるから」は、最近特に、また今日は特に、共感する。

演奏する能力は、かなりの部分、運動神経だ。山下洋輔は言った。ジャズは手癖だ。良い手癖を付けなくてはならない。

僕にとっては、演奏能力は、例えは変に感じるだろうが、賢い犬を飼っているような感じに近い。

犬は、人間にはない素晴らしい能力を持っている。嗅覚は人間の2000倍と言われるし、飼い主に忠実で、猫とは違う。集団での狩りは得意分野。

何十年も愛犬を訓練し、今やほっておいても勝手にサックス、フルートで自由にアドリブをするようになった。僕の演奏する能力は、別人格であり、親友であり、忠犬ハチ公なのだ。

松本英彦の愛犬も、主人が寝ていても、アドリブしてくれる賢い犬なのだ。

彼の毎日の食事は、良い音楽、それも何度聞いても奥が深く、何度聞いても学ぶものがあるものでなくてはならない。

それと、練習なのだが、基本練習、音出し、音階練習、色々なキーでのフレーズ練習、それにフルートの場合は、クラシックのエチュードや、名曲のおさらいも含まれる。

良い音が出ると、それは愛犬の栄養だ。毎日の食事(良い音楽&練習)が臨界点に達すると、爆発的に創造性が現れ始める。

つまり投入した素材の再構築が、自動的に始まり、飼い主としては、愛犬(自分の演奏能力=独立した別人格を持っている)が、独自の進化を遂げ、スーパードッグになっていくのを、にこやかに深い満足とともに、見守る。

一般の皆様にも解るように表現すると、自分でも知らない間に、音楽がどんどん進化してゆくのに、まるで自分とは違う、独立した人格がそこにいるのが感じられたので、以上のように表現してみたのだが伝わっだろうか?

僕は知っているのだ。愛犬は、僕の人生経験を実は栄養にして、成長していることを。

僕の人間としての色々な経験と成長は、彼の栄養であり、愛犬を成長させる。実は、僕と愛犬はシャム双生児のように一体なのだ。

さて愛犬とその弟子の成長を確認したい人は、明日の東京発表会(平和島、大森スポーツセンター)、23大阪、24逆瀬川バックステージ、26東京赤坂トナリテにて確認可能である。

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