★限界を突破して、サックス、フルート上達へ★

2018/12/28

まず既成概念を疑おう。

思い出すのは、TEDで、ある女性脳科学者の講演だ。彼女は確か妹か弟が生まれつき重い脳機能障害を持って生まれた兄弟を何とか治療したいと思い、脳の研究に進んだ。あるとき、自分が、左脳が麻痺する病気になり、言葉を発したり、数を数えることが出来なくなってしまった。そのときの経験が、衝撃的なのである。

自分と他人、また外界、自然との境界が無くなり、この宇宙全体が自分であるような感覚になったという。直ぐ思い出すのは、日本に密教を持ち込んだ、空海こと弘法大師。四国の霊場は、空海が修行した場所とされているが、あるとき洞窟で呪文を唱えているとき、宇宙全体との一体を感じたという。

例えば、自分には親が居て、親のある細胞(生殖細胞、卵子、精子)が合体して成長し、生きているのが自分である。子供が生まれるたびに、遺伝子の組み換えが行われ、考え方によっては、細胞は(我々は)、何万年も何億年もずっと生きている存在である。

だから、一人一人の個人が、生まれては死ぬというのは幻想であり、我々はずっと何億年も生きている命そのものだ。

人間は、何兆個の細胞の集合体であり、元をたどれば1個の細胞から分裂して何兆個になっているわけで、同じ情報を持つ兄弟の細胞が集まった国家のようなもの。現実の国家と違うのは一糸乱れぬ統制が取れていることで(健康)、爆発不満分子が増殖したりするのが癌(病気)と言うことだ。

一個一個の細胞は、単細胞でアメーバのような生き方よりも、何兆個で統制が取れて生きた方がより次元の高い生き方が出来るのでその方向で進化を遂げてきた。

神経細胞が進化して脳が生まれ、左脳が発達すると自我が生まれ、自分と他者を認識する所から、対立や戦争の種が生まれたのだろう。先祖返りして未分化の状態に戻って宇宙と一体化するのではなく、もはや知性を捨てることが出来ない我々は、知性、文化の究極として、人間、動物、植物、鉱物、天体、宇宙、全ては一体でどこからも切り離す事は出来ない一つながりのものだと気がついても良い。

そのために重い脳の障害になる必要はなく、想像力を働かせるだけで良い。

または音楽!!

音楽は直接脳(心)に訴える。ジャズ、ロック、ファンク、ラテン、クラシック・・のリズムを刻むとき、下半身が躍動し、命の躍動、子孫繁栄のリズムに、僕らは喜びがほとばしる。

メロディを声で楽器で歌うとき、喜び悲しみ、希望、絶望、怒り、ありとあらゆる感情、人生経験を感じ、あらゆる体験が可能になる。

音楽の基本原理は数学なので、倍音列、5度の原理は、宇宙の重力に対応していて、音楽が進行する原理なのだ。

倍音列は、色彩にも関係していて、バイオリン、フルート、オペラ歌手のソプラノ、テノール、ティナターナーやジェームスブラウンのような、黒人の歌唱力のある歌手も、特殊な倍音を発しているに違いない。

バッハ、モーツアルトからドビュッシー、ラベル、ストラビンスキー、バルトークに至る、西洋クラシック音楽は、倍音列の高次の音列への探求だった。黒人音楽の世界では100年遅れて、ホーキンズ、レスター、コルトレーンが、同じ探求を行う。

そしてコンピューターで全ての音楽をシュミレートできる時代。

先端の量子力学の教えるところのミクロの世界は、実に奇妙だ。

物質は我々が認識しようとすると実態があるように見え、見ていないともやもやしたエネルギーの渦に姿を変える。

たった一つの電子でさえ、見ていると粒になり、見ていないと波に姿をを変える。

これは、一人ひとりが、一瞬一瞬この宇宙を創造しているということを意味している。

何と既成概念からかけ離れていることよ!

しかしながら、音楽という波動に慣れ親しんだ我々にとっては、音楽自体が、この世界の宇宙全体の壮大なアナロジーであり、この世界は、壮大な交響曲であるのは、容易に実感できる。

マイルスの簡潔で、予測させ、そして予測を裏切るスリルのある音楽の展開の仕方はジャズのメソッドとなり、現代の我々はそれを引き継いでさらに探求中である。

実は、まだまだ開拓すべき荒野は無限に広がっているのが見える。

音楽の力は、音で、我々は一つながりの存在であることを思い起こさせる。

個人は存在せず、我々は聴衆であり、感動する聴衆は一体なのだ。

アーティストの心の中に愛が有るとき、聴衆は、アーティストの心の中に存在している。後は愛を注ぐだけだ。

世界が愛で溢れて、争いやひがみや、憎悪、戦争が無くなりますように。

その日まで愛を注ぎ続けるのが我々アーティストの使命であると心得よ!