★サックスの改造、マウスピースリフェイス

2018/11/23
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サックスの修理の専門のショップはたくさんある。なぜ僕は、サックスメンテナンスの業務をやっているのか?リペアマンでもないのに。

それは、長年演奏していて、もっとこういうサックスがあったらなあというイメージを持っているから。そもそもサックスは200年の歴史しかない新しい楽器。シンセサイザーやコンピューター音源はもっと新しいがそれは置いておいて。

円錐管と言って、メガホンのような、先に行くに従って太い楽器を発明したアドルフサックス氏はベルギーの、楽器職人の家系。フランスの軍楽隊からの注文、リード楽器で、トランペット、トロンボーンに匹敵する音量の楽器、それも高音から低音まで欲しい・・に応えて発明したのがサクソホン。もし僕が発明していたら、キクチホンと呼ばれたかどうか???

サックスにはまだこれが完成型と言うべきモノはまだ無い。各メーカーがしのぎを削る群雄割拠が未だに続く。ヤマハカスタム855.875は30年近く前の楽器だが名器として知られている。最近ではカスタムZの方が評判が良いようだが、筆者は断然旧カスタムのファン。

購入したときに、設計者のTさんとお話ししたことがある。ヤマハカスタム855.875は、管の太さが違う、2つのモデルとして発売された。ネックから本体入り口までは同じ太さ、U字管接合部まで行くと、太管、細管の区別があるそうな。そこで質問した。

★Tさん、太管、細管で口径はどのくらい違うのでしょうか?1mmくらいですか?

★いやいや、菊地さん、そんなに違わないのです。1mmを10分割し、10本の試作品を作りました。色々なテストを経て、その中の優秀な2種を商品化したのです。855.875の口径の違いは、0.05mmくらいですね?

ヤハマがいかに精密な研究とテストをしているかが垣間見られる話に驚いた。本体で、入り口からU字管接合部までで0.05mmの差で、全く性格の違う楽器が生まれるわけである。面白いのが、ヤマハの研究チームは、音色は管体の形状によってのみ決まると言う説を信じている方が多いことだった。筆書の意見は、金属の素材によっても全く違う楽器になる。オ-ルドの楽器の、枯れた味わいの音色は、昔の真鍮に不純物が多かったからだという。現在は金属の純度があがり、同じ音の再現は難しいそうだ。

さて、テナーサックスのネックの話になる。楽器自体の音程の精度が世界一高いのがヤマハ、音色に関しては好みの問題となる。テナーサックスの音程が取りにくい楽器で悩んでいる人は多い。音程が決まる要素は、管の長さ、パッドの空き具合、それに管自体のテーパーによる。テーパーとはどれだけ広がってゆくかの傾き度合いと考えていただきたい。僕のノウハウでは、そのテーパーを調整して、上が上がりやすい楽器を、カイルやヤマハのような音程感の楽器に改造する。

昨日も上が上がりすぎるテナーサックスの音程の悩みを、本人の目の前でメンテナンス。見事解決して大変喜ばれている、今年に入って、僕のメンテナンスで、サックスの音程が取りやすくなった方は9名、マウスピースのリフェイスで使えなかったマウスピースが調子よくなった方はまだ1名だが、大変喜ばれている。

個人的には、以前は、オットーリンクメタル10または11が1年で消耗し使えなくなるので買い換えていた。最近は自分でリフェイス可能になったので引き出しに有った昔購入したマウスピースを見事再生させて使っている。思った音を作る自由度はさらに上がった。

また、首が楽なストラップも好評である。興味のある方は是非ご覧下さい。


サックスメンテナンス

マウスピースリフェイス

ストラップ

2007年の作品、「My spanish key」