4日間の、韓国音楽事情視察旅行を終了して無事帰国。
音楽についていろいろと考えさせられた。
今回は、日本に留学経験のある、R氏の招聘で実現。韓国では、空前のサックスブームが来ていて、4500万人の韓国で、100万のサックス人口がいるという。
日本でも10数年前にサックスブームが来ていて、僕の教室でも70数名の生徒さんに、一人で殺人的なスケジュールでレッスンをこなしていたものだが、韓国の規模を聞いて驚いた。
例えば、ソウルの隣のインチョンやブチョンでは、30から40のサックス練習室が存在する。
日本では、管楽器の練習といえば、カラオケや音楽スタジオしかないわけだが、韓国では、サックス練習室と言って、1畳くらいの練習室を5-20室くらい抱えて、中央にはステージがあり、いつでもライブができるような施設が多く存在する。
そこには、ロッカーが常備されていて、サックスを預けて、空いていればいつでも練習できるようになっている。先生はいつも足りないような状態で、教える専門の先生は多数存在する。
ただしやっている音楽は、ほとんどが、韓国の歌謡曲であり、我々の耳には、古い昭和の演歌や民謡のような味わいがある曲、ポップス演歌(すでに死語?)。
一昨年のアマチュアのオーケストラにゲストで入った時も思ったが、クラシックやジャズをやっていても、最後の最後のアンコールは韓国民謡か演歌調で、韓国の人たちは本当に演歌が好きなのだ。というより、演歌の源流が韓国なのである。
ふと気がついたのが、明治時代から、西洋クラシック音楽を輸入、学校は西洋式で音楽を教え、戦後は占領軍のアメリカの音楽がどっと流れ込んだ日本人は、実は、長い時間をかけて洗脳されてきたのではと言うことである。
でも、根っこには、アジア、日本の音楽の感性があり、理数的な西洋音楽、腰の動きでリズムを取る、アフリカに端を発して、アメリカから世界に広がった、ジャズ、ロック、ブルース、ラテン音楽などは、後から輸入した音楽なのである。
歴史のいたずらで、ネイティブなアジア人の音楽心が残っているのが韓国の人たちで、長い時間をかけて西洋、アメリカ音楽(アフリカ+西洋)に洗脳されているのが日本人かもしれないとふと気がついた。
今回は、saxopia という、数千名を擁する、アマチュアのサックス愛好者団体の合宿に参加、午後は、アマチュアのコンテスト。
早く言うと、サックスを使ったカラオケ大会で、演歌から歌謡曲までを数百人のアマチュアが、技術と歌心をサックスで競うわけだ。
感心したのが、テナーは全員サブトーンが出て、サムテイラーか、シルオースティンスタイル。日本では死滅したはずの、歌のない歌謡曲、ムードテナー(死語)が、立派に生きていたのに驚く。
アルトは、ハイバッフルのブライトな音で、歌を歌うように吹く人が多い。
夜は、今度はプロ、アマチュアが入り乱れてのステージが始まる。韓国のプロ奏者、と言っても歌謡曲専門の方から、洗練されたフュージョンサウンドの若手までの演奏が聴けた。
ジャンインヨンさんは、昨年のラオンビッグバンドの時も訪ねてきてくれて、韓国のキャンディダルファー的存在かな(^^)。ミニスカートでスタイルの良い妙齢の女性がカッコよくサックスを吹いたら、それは、皆目が釘付けになるだろう(^^)
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ソプラノで自作曲を演奏するチョイ ギョリョン氏は、作曲と演奏の才能が素晴らしい。ソウル大学で教えているとのこと。自分のコーナーでは、ダニーボーイと、韓国曲の、恋を失った私を演奏。