文化差を考える

2018/05/01

一昨日、韓国のサックス愛好家の方が、訪ねてきた。20年前に韓国と日本で会っているという。

僕の著書とDVDをどっさり購入するのが目的だったが、韓国のプロ奏者の若者を連れてきたので、スタジオでお相手することになった。是非聞いて欲しいという。

K君、なかなかしっかりしたサックス奏者である。やはり今時のファンク系の奏法だがリズムがとてもしっかりしている。

ケニーGが旋風を巻き起こして、韓国は、サックスブームだという。ファンク系の音楽が、若者には受けて、年配者は、韓国の歌謡曲が受けているらしい。

彼も自分のスタジオがあり、生徒をたくさん教えたりしているらしいが、彼のスマホの写真を見て驚いた。

6大都市で、歌謡曲サックスのセミナーをやったらしいのだが、写真には夥しい人数が。

その観客がすべてアマチュアサックス愛好者だというのだ。数百人はいるだろう。

 莫大な人口がサックス愛好者だというのは凄い。やはり韓国ではサックス人口数十万人を言うのは嘘ではなかったようだ。

8,000人の会員を擁するアマチュアサックスの団体もあると言うことだ。

かの国の人たちは歌が好きなようだ、それも哀愁のある歌、正確には、怨が含まれていないと感じないと言うことらしい。

住んでみないとその感覚はわからないだろうが、歴史的背景もあるので、日本人は難しいかも。長年住んでいる日本人からは、見た目はそっくりだが、メンタリティがまるで違うと聞く。

実際に愛好している皆さんも歌謡曲も良いだろうが、いずれ、飽きていたらジャズやロック、ポップスをやりたくなるだろう。

日本の音楽家は、長い洋楽の経験があるので、明治維新の時の西洋人のように教えに行ったら喜ばれるに違いない。

でも韓国歌謡を聴くと、僕の子ども時代に流行っていた演歌を聴いているような気分になる。一種のタイムマシーンでもある。

日本人は、アイヌ人、南方系、東南アジア系、朝鮮、漢民族系、モンゴル系、そしてツングース白ロシア系、のハイブリッドであるので、遺伝子的には混じっているという説と、日本人だけ他のアジア人をかけ離れて、非常に古い系統であるという説と両方聞いたことがある。

西洋文化的価値観が終焉を向かえようとしている今日、東洋文化と西洋文化の架け橋になるのが日本の役目かもしれない。